看護師不足の現状と起こり得る問題

看護師不足で起こり得る問題としてまず挙げられるのが、1人あたりの業務量の増加です。看護師は、たとえ十分な人数がいなくても、対応しなければならない患者がいれば、業務をしっかりとこなさなければなりません。そのため、看護師の負担は大きくなってしまいます。しかし、そのような労働環境下では、過労を起こす可能性が高くなり、離職に拍車がかかるかもしれません。それに、看護師はそれぞれ自分の業務で手一杯になると、ほかの看護師をカバーする余裕はなくなってしまいます。したがって、勤務の途中で困ったことや助けて欲しいことがあっても周りを頼れなくなり、ひいては看護の質の低下にもつながるかもしれません。

ですから、このような環境に陥る前に、医療機関では人材の獲得や業務の効率化を考えるべきでしょう。ただでさえ人の命を預かっているというプレッシャーの中で働いている看護師は、精神的にも肉体的にもハードです。適度に休暇やプライベートの時間が取れないと、リフレッシュが図れず、体調を崩したり、メンタルに不調が出たりして健康を損なう可能性が高まります。

看護師が慢性的に不足すると、さらに看護師不足を加速させる要因になってしまいかねません。2025年には団塊の世代が75歳を迎え、ますます医療のニーズは高まってくるので、医療業界はできる範囲内で打つべき対策を早急に洗い出し、適宜行動に移す必要があるでしょう。また、医師や看護師自身も劣悪な環境に身を置かないための方法を考える必要があります。